債権回収
■ 債務者の状態を知る
債権や貸金を回収する場合にもっとも理想的なのは、話し合いによる解決です。そのときに相手に支払い能力はあるのか?を見極めるため、「なぜ滞納しているのか」を把握することが大切です。
これには法的強制力はありませんが、それまでの人間関係の上に成り立つ契約であり、それを最初から壊すような手続はお薦めできません。
しかし、いくら話し合っても問題が解決しなかった場合、法的強制力を持つ手段に踏み切ることが可能です。
■ 債権回収の手段
①内容証明郵便を送付する
内容証明を送ることで
・心理的にプレッシャーがかかる
・訴訟や債権譲渡に発展したときに、証拠としての評価が高い
といった効果が期待できます。
また、内容証明郵便で時効の進行を食い止めることができます。
注意点として、売掛金債権の消滅時効は2年のため、2年間催促しないと売掛金はなくなってしまいます。
このように内容証明は有効なものですが、内容証明は相手方に支払を強制するレベルのものではないため、相手が応じなければそれまでです。
よって、より実行性が高いのは、「支払督捉」「少額訴訟」となります。
②公正証書の手続をとる
公正証書にて手続をすることで、
・公証人に作成してもらう公正証書は、証拠としての評価が高い
・紛失しても、20年間は公証役場で保存してもらえる
・「執行認諾文言」を付すると、強制執行が認められる文書となり、債務履行が果たされなかった場合、強制執行をすることが可能になる
・心理的にプレッシャーがかかる
という効果があります。
これは債権回収の段階ではなく、契約締結の場面で作成しておく必要があります。
手続も厳格になりますので、大切な契約の際に有効活用できると思います。
③支払督促の手続をとる
内容証明を送っても、相手方がまったく応じなかった場合、簡易裁判所から金銭の支払を命じる督促状を出してもらえるのが、支払督促です。
また、支払督促を行うことで
・国家機関からのプレッシャーがかかる
・費用がかからず、手続も簡単で迅速
・一定期間を経過した後、仮執行宣言の申し立てをすれば、強制執行がかけられる
という効果があります。
また支払督促は、裁判の手続を経ることなく、申し立てができるので、労力とコストは通常の訴訟の半分以下と考えても良いでしょう。
しかし、相手方が異議申し立てをすると、通常の訴訟に移行します。
④民事調停にて、和解の方向を探る
簡易裁判所に申し立て、調停委員会のあっせん・仲介を受けることで、当事者間の和解を目指すものです。
民事調停の利点として、
・訴訟ほどコストと時間がかからず、緊張感もゆるやか
・調停調書によって、強制執行が可能となる
・相手方との関係はさほど悪化しない
といったことがあります。
民事調停は、3回ほど期日が設けられ、結論は当事者間で出すのが通常です。
調停が成立すると、調停調書が作成されますので、当事者のどちらかが約束に沿った義務を果たさない場合、強制執行をかけることが可能になります。
しかし、調停が不調であった場合は、訴訟で争うという流れになるでしょう。
50、60万円以下の金額の場合、少額訴訟を申し立てる
60万円以下の少額債権に限定して認められるのが、少額訴訟です。
申し立てをすると、訴状が届き、口頭弁論の期日までに和解に至るケースもあります。
勝訴が出れば、仮執行宣言が付与され、強制執行に踏み込める権利が得られます。
コストが安く、手続が簡単、迅速というのが、この少額訴訟のメリットです。
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